薬剤師・薬学生の情報サイト[ファーマシストマガジン]

メーカーに訊く!ジェネリック医薬品

製剤の工夫で、患者さんの“こころ”を笑顔に

2015年9月25日

第2回 患者さんの飲みやすさと安全性の両立のために

■ジェネリック医薬品に使われている添加剤は本当に安全?

患者さんの「飲みづらさ」を解消し、飲みやすいジェネリック医薬品を開発するために製剤技術を磨くことに尽力している東和薬品株式会社(以下、東和薬品)ですが、その一方で医療現場からあがってくる「製剤工夫をすることにより加えた添加剤による製品の安全性に先発医薬品との差異はないのか」という声に対する情報提供活動にも真摯に取り組んできました。
こうした情報提供活動を通して木村さんたちは、「添加剤が違っても、有効性や安全性において先発医薬品との差がみられないことは生物学的同等性試験によって確認されており、厚生労働省の承認審査を通過して安全性が認められたものである」といった基本的な情報を提供しても、医療従事者の安全性に対する不安を払しょくしきれていない場合があると感じたといいます。
「そこで先発医薬品とジェネリック医薬品の添加剤が違っても安全性に問題がないことを現場の医療従事者に感覚的に理解していただくために、使用前例のある添加剤であることをご理解いただきやすい資料を作成しました」(表)

(表)ある先発医薬品と東和薬品のジェネリック医薬品の添加剤を比較し、東和薬品の製品にのみ使用されている添加剤を示した資料の例
東和薬品の製品のみに使用の添加剤 左記添加剤を使用した製品の例
D-マンニトール球状顆粒(100) 医薬品添加物辞典に掲載されているものを使用
D-マンニトール 先発医薬品A
ラウリル硫酸Na 先発医薬品B
クエン酸トリエチル 先発医薬品C
アステルパーム(L-フェニルアラニン化合物) 先発医薬品D
酸化チタン 先発医薬品E

「この表を示して、ジェネリック医薬品に用いている添加剤は、先発医薬品でもよく使用されているものであることを説明します。すると、多くの方にいままでのご使用経験から添加剤には問題ないことを納得していただけます。本表を用いることで、先生方それぞれの経験を振り返り、実体験を通して先発医薬品とジェネリック医薬品の間に安全性の差異がないことを実感していただけているのだと思います」

■安全性を確認するための試験方法「T-LEX法」を開発

さらに、東和薬品では、ジェネリック医薬品と先発医薬品で添加剤が異なることによる安全性に対しての不安の声を解消するため、安全性確認のためのあらたな試験方法を開発しました。

【T-LEX法概要】

●はじめに
ジェネリック医薬品は生物学的同等性試験によって先発医薬品と治療学的な同等性を保証されています。ところが、医療従事者からは先発医薬品と異なる添加剤を含むことなどを理由に、ジェネリック医薬品の副作用を危惧する声が聞かれます。
ジェネリック医薬品と先発医薬品の副作用発生頻度が同程度であることを確認すれば、これらの問題は解決すると考えられますが、実際のジェネリック医薬品の開発過程において、販売開始時期までに十分な臨床試験を実施することは困難です。そのため、これに代わる副作用リスク評価方法が求められてきました。こうした背景を受けて、今回あらたに開発されたのが臨床試験を必要としない副作用リスクを評価する方法「T-LEX法」です。

(図1)T-LEX法の流れ
●T-LEX法とは
T-LEX法では、薬剤性の臓器障害でもっとも多い肝障害に着目し、ヒト肝細胞キメラマウス※1とトキシコゲノミクス※2の手法を用いることによってヒトの肝障害リスクの予測を通して、副作用の発生リスクを評価します(図1)。

  • ※1:私たち人間の肝臓と同じ肝細胞を持つマウス
  • ※2:毒性学とゲノム科学の知識と技術を用い、医薬品が生物に及ぼす毒性を評価、予測する研究

ヒト肝細胞キメラマウスに先発医薬品を投与した先発医薬品投与群、ジェネリック医薬品を投与したジェネリック医薬品投与群、およびコントロール群の遺伝子発現量を調べて、各製剤投与群とコントロール群の遺伝子発現量の比を求め、①ヒト肝臓における遺伝子発現量の変動率の比較、②ヒト肝臓関連のPathwayの相関係数(r)の算出をおこないます。

T-LEX法にもとづき、先発医薬品と東和薬品のジェネリック医薬品を比較した試験では、両剤投与時の遺伝子発現量の変動傾向は高い相関性を示し、先発医薬品と東和薬品のジェネリック医薬品はヒト肝障害リスクが同程度であると推測されました。(図2)(表)

(図2)東和薬品のジェネリック医薬品と先発医薬品における遺伝子発現量の変化率
(表)肝障害関連のpathwayの相関係数

このように、T-LEX法を通して先発医薬品とジェネリック医薬品間の副作用発生リスクを評価・推測することが可能となり、東和薬品では、医療機関ではたらく医療従事者が安心して、患者さんにジェネリック医薬品を勧めるためのさらなる情報提供をすることができるようになりました。
<参考文献>
・立木秀尚:ジェネリック医薬品評価の最新技術 -ジェネリック医薬品の薬剤性肝障害リスク評価法-, PHARM TECH JAPAN, 29, 15, 167-171(2013)

■東和薬品の未来への挑戦

東和薬品では、国からのジェネリック医薬品普及促進の流れに応えるべく、①安定供給体制の向上、②東和式直販体制の確立、③製品総合力No.1の製品づくりに取り組んでいます。
現在(2015年6月)、681品目の製品を取りそろえていますが、東和薬品では今後も「患者さんが薬を飲みやすくするため、医療従事者が扱いやすくなるために、どのような工夫をしたらよいか…」という目線に立ち、新たな製品を生み、供給し続けていきます。


東和薬品株式会社概要
1951年、大阪市東区淡路町に、東和薬品株式会社の前身となる「東和薬品商会」を創業。
1957年、大阪市東区道修町に移転し、「東和薬品株式会社」を設立。ジェネリック医薬品の製造・販売を通じて「人々の健康に貢献します」、「こころの笑顔を大切にします」という企業理念のもと、患者、医療関係者、地域社会をはじめとするすべての方々にこころから喜ばれ、求められる企業をめざし、躍進し続けている。

知っトク!おトク!豆知識

健康・医療分野におけるITC化 国民がメリットを感じられる今後の方向性とは
現在、医療情報のITC化は主官庁である厚労省と総務省で進められています。病院や薬局、そして介護も含む地域医療連携の全体をネットワーク化し、個人の健康・医療・介護分野の情報をパーソナルヘルスレコードとして本人が一元管理・活用できるようにします。ITC化された情報をスマホアプリで見ることができれば、利用者はどんな診断や投薬をされているかがわかります。また、本人自らが情報を持ち運ぶことにより、引っ越しなど地域を超えての活用や、複数診療科での活用、介護分野の多職種連携チームでの活用が可能となります。

今月号の目次
今日はなんの日?
  • 2016年9月9日
  • 救急の日
  • 厚生労働省が1982年に「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから制定。救急医療関係者の意識向上と、国民の正しい理解を深めることが目的である。
  • 2016年9月9日
  • 骨盤臓器脱 克服の日
  • 尿失禁・骨盤臓器脱で悩む女性ゼロをめざすひまわり会により制定される。骨盤臓器脱の英語表記は「POP」と略され、逆転すると「909」と読めるため。
  • 2016年9月22日
  • フィットネスの日
  • 日本フィットネス協会の設立記念日であり、9月は厚労省が実施する「健康増進普及月間」でもあるため制定される。国民の健康体力づくり推進が目的である。
  • 2016年9月24日
  • 歯科技工士記念日
  • 1955年設立の日本歯科技工士会により、2005年9月に50周年を記念して制定されたふたつの記念日のひとつ。もうひとつは10月8日の「入れ歯感謝デー」。

薬剤師の地域別時給[東日本]
地 域 東京23区 東京都下 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 群馬県 栃木県 静岡県 山梨県
平均値 ¥2,302 ¥2,203 ¥2,126 ¥2,229 ¥2,400 ¥2,508 ¥2,309 ¥2,255 ¥2,051 -
薬剤師の地域別時給[西日本]
地 域 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 愛媛県 福岡県
平均値 ¥2,249 ¥2,111 ¥2,114 ¥2,020 ¥2,111 ¥2,145 ¥1,960 ¥2,771 ¥1,913
(2015年2月~2016年1月)
AiDEM 株式会社アイデム 人と仕事研究所調べ

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