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薬剤師インタビュー

2012年4月25日

課長補佐 安藤千聡さん
袖ヶ浦さつき台病院 医療技術部 薬剤科
1999年に明治薬科大学薬学部衛生薬学科を卒業。
社会医療法人社団さつき会に就職し、袖ヶ浦さつき台病院に配属される。調剤、注射、抗がん剤、病棟など、幅広い業務に携わる。2009年に認定実務実習指導薬剤師を取得。2010年より課長補佐となり、現在は薬剤師としての基本業務のほか、実務実習の統括、院内での医療安全対策や薬事審議会、来年予定されている電子カルテ導入の準備といった仕事も受け持っている。

―なぜ、薬剤師という職業に就かれたんですか?

こどものころ、入院していたともだちのお見舞いに行って、リハビリの様子を見たことがあるんです。サポートしているスタッフの姿を見て「こういう仕事もあるのか」と驚きました。そのときは理学療法士ということばなど知りませんでしたが、なんとなく「病院で働きたいな」と思うようになった原点は、そこにあるのかもしれません。
高校生のときには、作業療法士になりたいと思ったこともありました。しかし、両親と進路について相談していくなかで、資格の強みを活かせる薬剤師の道に進むことにしたんです。

―薬科大学に進学してからも、病院で働きたいという気持ちはゆらがなかったんですね。

そうですね。「現場で働きたい」という気持ちはつねに持っていました。医療に携わるいろんな職種のスタッフから刺激を受けながら、薬剤師として患者さんのサポートをしていきたい、と思っていたんです。

―数ある病院のなかで袖ヶ浦さつき台病院を選ばれたのは、なぜですか?

わたしが大学に通っているころから、病棟活動に熱心な病院だと聞いていました。当時としては珍しく、外来の処方箋を院外に出していて、病院の薬剤科は院内のことに専念できる環境があったんです。
とても興味があったので、お願いして2週間実習させていただきました。そのときの印象もよかったんです。ドクターはじめ、看護師、薬剤師、コメディカルのスタッフまで、みんなが笑顔で挨拶をしていました。明るくて風通しのよさそうな病院だな、と感じて、袖ヶ浦さつき台病院に就職を決めました。

―袖ヶ浦さつき台病院は精神科に力を入れています。就職活動の際に抵抗はありませんでしたか?

抵抗感はまったくありませんでしたね。当時の院長が精神科だったこともあって、たしかに精神科のウェイトが大きい病院ではありましたが、内科や外科、整形外科、皮膚科、耳鼻科、眼科と診療科も多いですし、「精神科の病院に就職する」とは思っていなかったんです。患者さんの扱いも、精神科と他科を区別するようなことはしていません。通常、急性期の精神科の患者さんを受け入れている病院は、精神科の患者さん向けの内科や外科を併設する程度で、精神科としての専門性を強める傾向があります。
うちのように、精神科を中心に複合的な事象に触れて学べる病院は珍しいので、最近では強く希望して就職してくる薬剤師もいるんですよ。


―実際に働くようになって、病院の印象に変化はありましたか?

実習でお世話になったときと、大きくは変わりませんでした。「笑顔で挨拶をしよう」という病院全体の方針で、職員同士も、患者さんに対しても、笑顔で挨拶をしていますから、気持ちがいいですよ。
日々挨拶を交わしていることで、日常の業務もスムースになっている気がします。さつき台病院は「チーム医療」の意識を高く持っているので、職種の垣根を越えた連携もしっかりしているんですが、管理職同士の連携、ドクター・看護師・薬剤師の連携などもうまくいっています。ほんとうに風通しがよくて、働きやすい職場だと思っています。

―安藤さんは精神科の病棟を担当なさっていますが、一般病棟とのちがいはありますか?

まずひとつは、大量服用への注意が必要です。扱うお薬の種類も量も多いので飲み合わせのチェックも重要になってきますし、注射との相互作用も確認しなければなりません。妊娠を希望しながら治療をする方に対して、どのような処方をしていくかドクターから相談を受けることもあります。
そういった意味では、精神科というのは、薬剤師が活躍しやすい職場だと思います。

―急性期の患者さんへの対応はどのようになさっているのでしょう。

わたし自身、精神科の病棟のなかでもとくに混迷している急性期の患者さんを担当しているのですが、そのなかで感じるのは、患者さんに病識がないケースが多い、ということでしょうか。
病識のない患者さんに対応するときには、医療従事者が統一見解を持って接することがとくに重要になってきます。医療スタッフの言うことがちがうと、お薬を飲んでくれなくなるなど治療に支障が出てくるケースもあるんです。ドクターや看護師さんとしっかり連携を図り、ご家族の意見もうかがいながら、退院に向けてのプログラムを組んでいきます。 基本的には、薬剤師は週に1回しか患者さんのところには行きません。日々の様子は、看護師さんがチェックしてくれていて、患者さんのクセやこだわりも含め、服薬指導に行く 前に情報をもらっています。緊急をようする場合は連絡が入り、そのつど病棟へ足を運ぶようにしています。病棟では、患者さんに服薬指導をするだけでなく、カンファレンスに参加したり看護師向けにお薬の説明会をおこなうこともあります。

―精神科の薬剤師として、どのような点にやりがいを感じているのでしょう。

お薬の効果だけでなく、薬剤師の柔軟性が求められるところですね。
独特のこだわりを持っている患者さんも多いので、一人ひとりのお気持ちを尊重した処方を行っています。たとえば、「黄色いお薬がいい」という患者さんに対しては黄色の錠剤で用意できるようmgの少ないものを組み合わせて処方しますし、「2錠ずつじゃないといやだ」と言われれば2錠になる組み合わせで処方する。症状だけを見ていたら必要のない対応ですが、患者さんを治療するという目的のためには重要なポイントです。

―精神科で難しいのは、どのようなところですか?

効果も副作用も症状として表面に出てきやすく、自分の関わった結果がわかりやすいという点も、精神科の特徴だと思います。いかに副作用を起こさせないかを考えながら投与量などを調整していくのですが、難しいのは患者さんのことばの裏を読み取らなければならないところですね。
精神科の患者さんのなかには、ご自身の症状を上手に伝えられない方がいらっしゃるんです。たとえば、「調子はどうですか?」とうかがって、「目が悪くなった感じがします」という返答があったとします。一般的には、目がかすんでいるんだろう、と判断するところですが、よくよく話してみると幻覚が見えていた、ということがありました。明らかに症状が悪化しているので、処方を見直さなければいけないケースです。
わたし自身が思っていることは通用しない、という前提で、患者さんに寄り添っていく。一般病棟でも患者さん本位の治療を行っていますが、精神科では、そういうサポートがよりいっそう必要なのではないでしょうか。

袖ヶ浦さつき台病院の薬剤科のスタッフです。
薬剤科には、薬剤師10名と補助スタッフ1名が在籍しているのですが、みんな明るくて、ポジティブで、向上心を持って働いています。誰かが困っているときも協力的ですし、なんでも話せる大事な仲間。日常生活のことから、病棟で看ている患者さんのことやドクターから聞いた最新の医療情報などの学術的なことまで、いろいろ話しています。わざわざ「情報を共有していきましょう」と言わなくても、雑談のなかで自然と情報共有ができていて、ほんとうに働きやすいんですよ。
この環境を維持していくため、管理職のひとりとして前向きに関わってきたいと思っています。

知っトク!おトク!豆知識

「魅せる」指のしぐさでポイントアップ!
指のしぐさは、普段少し意識するだけできれいに魅せることができます。 ポイントは三つあります。
ひとつ目は指をとじ、手の面積を小さく見せること。 ふたつ目は手を正面に向けるのではなく斜めに向けることで立体的に見せること。 そして最後に、中指や人差し指を軸にほかの指を添わせ、しなやかな縦のラインをつくること。 このポイントを押えれば細くてきれいな指先になります。 何気ないようで指先や手というのはよく視線にふれます。 普段からこのポイントを意識して、お薬の説明や接客をレベルアップさせましょう。

今月号の目次
今日はなんの日?
  • 2016年9月9日
  • 救急の日
  • 厚生労働省が1982年に「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから制定。救急医療関係者の意識向上と、国民の正しい理解を深めることが目的である。
  • 2016年9月9日
  • 骨盤臓器脱 克服の日
  • 尿失禁・骨盤臓器脱で悩む女性ゼロをめざすひまわり会により制定される。骨盤臓器脱の英語表記は「POP」と略され、逆転すると「909」と読めるため。
  • 2016年9月22日
  • フィットネスの日
  • 日本フィットネス協会の設立記念日であり、9月は厚労省が実施する「健康増進普及月間」でもあるため制定される。国民の健康体力づくり推進が目的である。
  • 2016年9月24日
  • 歯科技工士記念日
  • 1955年設立の日本歯科技工士会により、2005年9月に50周年を記念して制定されたふたつの記念日のひとつ。もうひとつは10月8日の「入れ歯感謝デー」。

薬剤師の地域別時給[東日本]
地 域 東京23区 東京都下 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 群馬県 栃木県 静岡県 山梨県
平均値 ¥2,302 ¥2,203 ¥2,126 ¥2,229 ¥2,400 ¥2,508 ¥2,309 ¥2,255 ¥2,051 -
薬剤師の地域別時給[西日本]
地 域 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 愛媛県 福岡県
平均値 ¥2,249 ¥2,111 ¥2,114 ¥2,020 ¥2,111 ¥2,145 ¥1,960 ¥2,771 ¥1,913
(2015年2月~2016年1月)
AiDEM 株式会社アイデム 人と仕事研究所調べ

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