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薬価制度改革の議論開始‐後発品の算定ルールが焦点
中央社会保険医療協議会薬価専門部会

2010年12月17日(金)

内用配合剤のあり方も俎上

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会は15日、薬価制度改革の論点を確認し、来年7~8月の業界ヒアリングを含めた、大枠の検討スケジュールを固めた。後発品薬価や内用配合剤の薬価改定ルールについて議論に着手した。委員からは、後発品と先発品の薬価逆転の是正ルール導入や、先発品と同一薬価の後発品を、診療報酬上の加算算定の判断から除外を求める意見が出たほか、「あまりに後発品が多い。一定の歯止めが必要」「銘柄別収載のやり方を、後発品に適用していてよいのか、再検討する必要がある」などの声が上がった。

 制度改革の論点は、厚生労働省が整理した、[1]先発品より高い後発品の取り扱い[2]後発品の収載品目数と薬価の大幅なバラツキ[3]配合成分が特例引き下げを受ける内用配合剤の取り扱い[4]原価計算方式による算定方法[5]新薬の処方日数制限[6]新薬創出・適応外薬解消等促進加算の検証――の6項目に、禰宜寛治専門委員(武田薬品)が要望した「必須医薬品の安定供給」を加えた7項目。

 薬価逆転については、三浦洋嗣委員(日本薬剤師会)が「必ず後発品が安くなるルールを作っておけば、問題は解決する」とし、先発品より低い最低薬価を設定すれば、最低薬価で先発品と後発品が一致する現象にも対応できると主張した。これに対し厚労省の吉田易範薬剤管理官は、「市場実勢価に基づく値付けを維持しつつ、診療報酬上の手当てで対応すべきと考えている」との認識を示した。

 また、安達秀樹委員(京都府医師会)は、同一成分への後発品の多数参入を問題視し、「一定の歯止めが必要」と指摘。「暴論かもしれないが、生物学的同等性を保証した上で、入札もあり得るのではないか。後発品が増えれば、不良在庫が増える。特に薬局は(処方せんで指定されれば)出さざるを得ない。何らかの改善策が必要」と述べた。

 三浦委員は、「検討してもらえれば在庫も助かり、医療安全の面でもよい」と同調したが、白川修二委員(健康保険組合連合会)は「品目数の制限は、市場経済ではあまりとるべきでない」と慎重姿勢を示した。また、吉田薬剤管理官は「薬価収載を拒むことは難しい」とし、現行の同一規格20品目超の9掛け算定ルールを踏まえ、「さらなるディスインセンティブも一つの考え方」と説明した。

 白川委員は、後発品上市から長期間経過しても、先発品と分けて取り扱う考え方について、「どこかで線を引いて、先発品、後発品に区分する薬価の決め方を解消してもよい」とも述べた。

 医薬品卸業界からは松谷高顕専門委員(東邦ホールディングス)が、プラバスタチンを例に挙げ、10銭間隔で十数種類の薬価が設定されている成分があることを指摘。「薬価そのものをいくつかの区分に分けた方が、代替調剤もやりやすい。同じ成分で10以上も薬価があると、卸業者としても(ユーザーに)話しづらい。配慮してほしい」と求めた。

 これを受けて中医協会長の遠藤久夫委員(学習院大学教授)は、先発品と同様に銘柄ごとに薬価を決める、現行の後発品の収載ルールを疑問視。「先発品における同一成分の価格差が、後発品のように、上市後に2倍、3倍というのはあり得ない。後発品は異常な価格差だと思うし、合理的な説明が難しい」とし、「銘柄別収載という視点から外れ、新たな薬価を作っていくことが必要ではないか」と問題提起した。

 一方、内用配合剤については、新規収載価格を配合成分の単剤合計額の8割程度に抑える仕組みを、2010年度改革で導入した。ただ、09年度までに単剤合計額で算定した配合剤のうち、降圧剤のミコンビなどが薬価改定を経て単剤合計額を上回っていることが、厚労省の分析で分かった。三浦委員は、単剤の合計額を下回るよう「きちんとしたルールを作っておくべき」と述べた。これまでも、単剤の後発品が収載されても、特例引き下げを受けないことが指摘されていた。

 このほか長野明専門委員(第一三共)は、薬価制度をめぐる論調全体に対し、「いずれにしても、医薬品の価格を下げる雰囲気を感じる」とし、価格だけでなく、信頼性や品質の議論も合わせて行うよう求めた。(薬事日報

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今月号の目次
今日はなんの日?
  • 2016年9月9日
  • 救急の日
  • 厚生労働省が1982年に「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから制定。救急医療関係者の意識向上と、国民の正しい理解を深めることが目的である。
  • 2016年9月9日
  • 骨盤臓器脱 克服の日
  • 尿失禁・骨盤臓器脱で悩む女性ゼロをめざすひまわり会により制定される。骨盤臓器脱の英語表記は「POP」と略され、逆転すると「909」と読めるため。
  • 2016年9月22日
  • フィットネスの日
  • 日本フィットネス協会の設立記念日であり、9月は厚労省が実施する「健康増進普及月間」でもあるため制定される。国民の健康体力づくり推進が目的である。
  • 2016年9月24日
  • 歯科技工士記念日
  • 1955年設立の日本歯科技工士会により、2005年9月に50周年を記念して制定されたふたつの記念日のひとつ。もうひとつは10月8日の「入れ歯感謝デー」。

薬剤師の地域別時給[東日本]
地 域 東京23区 東京都下 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 群馬県 栃木県 静岡県 山梨県
平均値 ¥2,302 ¥2,203 ¥2,126 ¥2,229 ¥2,400 ¥2,508 ¥2,309 ¥2,255 ¥2,051 -
薬剤師の地域別時給[西日本]
地 域 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 愛媛県 福岡県
平均値 ¥2,249 ¥2,111 ¥2,114 ¥2,020 ¥2,111 ¥2,145 ¥1,960 ¥2,771 ¥1,913
(2015年2月~2016年1月)
AiDEM 株式会社アイデム 人と仕事研究所調べ

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