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特集コラム

薬剤師と白衣

スマートさ、清潔さを表に出して患者の前に出るべき。

2011年1月25日
ほんの16、7年前まで(医薬分業以前)は調剤と言えばそのほとんどが病院の中にある薬剤部で行われていました。しかも、薬剤師による患者への薬の説明は皆無の状態でした。薬ができあがると、患者は薬剤師に名前だけ呼ばれて「お大事に」といわれ、薬を受け取って帰るだけで、ひどい時にはできあがりの薬が無造作にカゴに入れてあり、患者はそこから自分の名前の書いたものを自分で見つけて持って帰っている場合もありました。

この様な状況で薬剤師と患者はほとんど触れ合う機会がなく、互いに互いをよく分からないままでずっといたのです。それが、国の医薬分業政策により、日本のあちらこちらに調剤薬局が建つと、それまで病院の奥で調剤していたような薬剤師が突如、患者の目の前に現れ、大きなガラス越しに調剤をしている姿を見せ、薬を渡す時はその効能や飲み方を丁寧に説明するといった、これまでとは全く違うスタイルの薬剤師の形ができあがりました。

当初は患者も医師も、当の薬剤師も困惑気味でしたが、それも最近では完璧に定着し、「病院での診察の後には調剤薬局で薬をもらって帰る」という構図が当たり前になりました。
この結果、昔は薬剤部の奥で目立たない存在だった薬剤師も、医師や看護師と変わらないくらい患者や世間の人々の前にその姿を現わす存在となったのです。
よって、現在の薬剤師はれっきとした人前に立つ職業といえます。

そこで、これからの薬剤師の皆さまに検討して頂きたいのは白衣のファッション性です。これまでの「まっ白でズデっと長い」だけの白衣ではどうでしょうか?
人前に立つ職業になった以上は、派手なのは問題ですが、そうでない範囲であればある程度、おしゃれな方が本人も患者も気持のいいものになるでしょう。
同じ医療系職業である医師や看護師は自分の白衣に結構こだわっています。
カタログを見て、有名デザイナーのものにしたり、少しグレーのストライプの入ったものや、ライトブルー、看護師だと襟の丸くなって可愛気のあるもの、肩の膨らんでるもの、などを皆で楽しそうに選んでいる姿を時折目にします。

このことを私はある意味いいことだと思うのです。白衣は医療人にとって仕事着です。
その仕事着にこだわるというのは仕事にやる気があることの証明であり、仕事へのモチベーションも上がります。しかも現場の雰囲気も明るくなるのは必須。医療というと自然と重くなりがちですが、その改善にもつながるでしょう。白衣を購入する時にはぜひ、このことを考慮に入れて頂きたい。
その点は経営者の方にも同じ提案をさせて頂きたく思います。

会社によっては白衣が決められ、統轄されているチェーン店も多いですが、ある程度は検討されてみてはいかがでしょうか?(薬科大学が6年制になったとはいえ、薬剤師にはまだまだ女性が多いことですし・・・)

また、白衣の下の服にも気を使って頂きたいです。ブラウスの襟やネクタイ等、白衣の襟元から覗く服にも気を使うことはある意味、人前に出る者の礼儀であり、その人の仕事への取り組み方の意志表示にもなります。

Tシャツとジーンズの上にただ白衣をはおっただけのスタイルでは例えどんなにいい仕事をしても、その成果を半減させてしまうイメージを作ります。これでは、せっかく一生懸命に仕事をしてももったいない。やはり、医療系職業はスマートさ、清潔さを表に出して患者の前に出るべきであり、汚い、普段着、のイメージよりも清潔、正装の方が患者に安心感を与えますので、その辺りは注意してほしいものです。

プライベートではラフなスタイルでも構いませんが、仕事である以上は十分に気づかいをするべき点でしょう。これは化粧や香水、男性なら髭、寝ぐせ、しいては言葉づかいにまでつながる内容となります。
話が少しくどくなったので、この話題はこれで終わりますが、それにしても人前に立つわりには世間の薬剤師への注目度がまだまだ低いのは悲しい限りであります。
私はこの問題にも取り組んでいますが、なかなか現実は厳しい!再来年には薬学部6年制初の卒業生も出てきますし、それまでになんとか薬剤師を医療系職業としてこれまで以上にメジャーにしなければと小説などを書いたりして(またも私事で恐縮です)奮闘していますが、私ひとりの力ではなかなかおぼつきません。
それでも、やれるだけやって、できる限りの努力をしてみようと決めています。(応援お願いします!)

最後に、若手薬剤師の皆様、薬学生、その他の関係者の皆様に私から伝えておきたいことがあります。それは、医薬分業から約15年、調剤薬局は街のいたるところに存在するまで発展しました。
その成功の影には、その基盤を築くまでの、全国の薬剤師の一丸となった涙ぐましい努力が存在します。
「患者を待たせない」「副作用、重複薬の注意をする」「薬の詳しい説明とコンプライアンスの向上を計る」等の必要性を一生懸命に患者、患者家族、医師、看護師らに訴え、調剤薬局、薬剤師の社会への存在意義を強く提議してきた当時の薬剤師たちの地道な活動があって手に入れた発展です。

この薬剤師界の金字塔をこれからの薬剤師の皆様、薬学生の皆様には大切に受け継いで頂き、我々薬剤師の、調剤薬局等の、さらなる発展という夢を託して、私の恥ずかしい粗筆を終わらせたいと思います。これからの皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

ブログ: http://blog.goo.ne.jp/rakutorakutorakuto

山村 憲司(やまむら けんじ)
1969年生まれ。札幌市出身。北海道医療大学薬学部卒業。製薬会社営業(MR)、調剤薬局・病院等の管理薬剤師を経て、現在は調剤薬局のサポート・コンサルティングをしながら骨董買取専門店「楽刻(らくと)」を経営。
著書:『薬剤師の患者学』(2009文芸社)『調剤薬局アラカルト』(2009文芸社)
調剤薬局「ひなた」』(2010文芸社)がある。
調剤薬局倫理「患者学」ブログ

知っトク!おトク!豆知識

相手に敬意と親近感をあたえる「おじぎ」の仕方
近年ではあいさつと並んで重要なコミュニケーションツールの一つである「おじぎ」
女性は手を前に重ね、男性は横に添えるのがおすすめです!
では、その種類と基本所作をご紹介します。
【会釈】朝のあいさつやすれ違いで使う軽いおじぎです。一般的に腰から15度くらい傾けます。
【敬礼】お客さまをお迎えするときにつかいます。腰から30度の角度で頭を下げます。
【最敬礼】お礼・お詫び・お客さまの見送りをするときにつかいます。きちんと声をだして言葉を添え、角度は45度で視線は自分の足へ。

今月号の目次
今日はなんの日?
  • 2016年9月9日
  • 救急の日
  • 厚生労働省が1982年に「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから制定。救急医療関係者の意識向上と、国民の正しい理解を深めることが目的である。
  • 2016年9月9日
  • 骨盤臓器脱 克服の日
  • 尿失禁・骨盤臓器脱で悩む女性ゼロをめざすひまわり会により制定される。骨盤臓器脱の英語表記は「POP」と略され、逆転すると「909」と読めるため。
  • 2016年9月22日
  • フィットネスの日
  • 日本フィットネス協会の設立記念日であり、9月は厚労省が実施する「健康増進普及月間」でもあるため制定される。国民の健康体力づくり推進が目的である。
  • 2016年9月24日
  • 歯科技工士記念日
  • 1955年設立の日本歯科技工士会により、2005年9月に50周年を記念して制定されたふたつの記念日のひとつ。もうひとつは10月8日の「入れ歯感謝デー」。

薬剤師の地域別時給[東日本]
地 域 東京23区 東京都下 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 群馬県 栃木県 静岡県 山梨県
平均値 ¥2,302 ¥2,203 ¥2,126 ¥2,229 ¥2,400 ¥2,508 ¥2,309 ¥2,255 ¥2,051 -
薬剤師の地域別時給[西日本]
地 域 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 愛媛県 福岡県
平均値 ¥2,249 ¥2,111 ¥2,114 ¥2,020 ¥2,111 ¥2,145 ¥1,960 ¥2,771 ¥1,913
(2015年2月~2016年1月)
AiDEM 株式会社アイデム 人と仕事研究所調べ

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